イゴ・デル・サント

自分は盤を使う競技は基本的に苦手です。
将棋は駒の動かし方しか分かりませんし、囲碁にいたっては9路盤でもレベル1にパーフェクト負けします。棋士も有名な人しか知りません。ちなみに、高校時代全国7位ぐらいになった知り合いから「ヒカルの碁の一柳って武宮正樹がモデルなんだよ」と教えられて、武宮さんの画像をはじめて見た時、その知り合いに「ハゲなだけなじゃねーか」と言ってしまったのも懐かしい思い出です。まぁ、そんなことは関係ないですね。

今日、これを読んでいたんですけど↓
http://www.igoamigo.com/trivia/number4.html
要するに囲碁ってのは10の360乗のパターンがあるということですよね。宇宙に存在する原子の総数が10の80乗らしいからとんでもない数です。しかし、これだけだとよく分からないので「10の360乗」でぐぐってこんなものを見つけました。
http://www.be.asahi.com/be_s/20061022/20061006TSUN0001A.html
要するに「開始から終局の局面」までの総数が10の360乗であるらしいのです。自分はこれを読んだ時、「囲碁のパターン数なんて一つの場所において「白、黒、何も無い」以外ないんだから3の361乗以上になんでなるんだよ」と思っていたので全く納得がいきませんでした。
そこで、もう少しぐぐって見て「どうして10の360乗になるのか」探してみたんですが、全然ありません。つーか、インターネット利用している人間は沢山いるのに、なんでこいつらはそこにいたるまでの詳しい過程は乗せないんだ、と自分のことを棚にあげて怒ってしまいました。大体、クイズ番組とかでもちょっとした数学のような問題とかに「なんでそうなるのか」ということに対する説明があまりにおざなり過ぎると思うですよ。これだから………まぁ、いいや。

というわけで、自分で計算してみることにしました。ヒントは「開始から終局の局面の総数」。つまり1手目から計算していけばいいはず。

まず1手目。黒が打つパターンは19×19で361通り
次に2手目。白が打つパターンは360箇所どこでもいい筈なので
361×360
次に3手目。361×360×359
次に4手目。361×360×358……

ここまで書いて考えたんですけど、この時点で角の周りの2つの場所に黒石が置いてあった場合。白石が置けないパターンが出てくるんですよね。(●:黒石、○:白石、×:空白)

×●×
●××
×××

↑こんな場合の時に左上の×の場所に白石は置けないわけで。仮にここに白石が置かれている「実際はありえない局面」というのは、358×4で1432通り存在する筈。358は既に隅に置かれた黒石の位置は確定していて、その他に置かれうる白石のパターンを考えた時の数。さらにそれが4隅にあるわけで……

で、さらにもう一度ここまで書いて考えたんですけど、2手目の時点で隅において

○●×
×××
×××

となった時、すぐにこの白石を取った場合、場に黒石しか存在しない状況になるので、上の文ではそのあたりを見落としているから……と考えた時点で諦めました。1手ごとのパターンをこう考えていったら自分じゃ無理です。というわけで、もっと単純化して、
361×360×359×・・・・・・・・・・・・・×3×2×1がいくつになるのかを計算してみたいと思います。………あ、この時点で自分じゃ無理っぽそう。それでも頑張ります。要するに361!を計算すればいいはず。
とりあえず、必死にぐぐった結果スターリングの式というのがあってn!が2πn^(1/2)×n^n×e^(-n)で近似できるのが分かったから、これにn=361を代入すれば、いいはず。ただ、これでも面倒くさいので、10を底とする対数、要するに常用対数にぶち込んで計算することに。ちなみに10の360乗をこれにぶち込めば360になります。つまりこの計算の結果が360に近くなれば、自分の計算が正しいことになるはず。
自分で計算する気にはなれなかったので、出来上がった式をエクセル先生に計算してもらいました。ちなみにエクセルでeをどうやって出すか分からなかったので、2.718ぐらいで代用しました。ごめんなさい。

で、結果は約768。多すぎる。ちなみに3の361乗も常用対数を取ってみましたが、こちらは約172となりました。こっちは少な過ぎる。まぁ、分かりきっていたことですけど361!じゃ多すぎるんですよね。
ここでさらに考えました。白と黒とで交互に打つから二重階乗で361!!になるのではないかと。そこで今度は361!!を計算することに。ちなみにX!!(nだとパイと区別がつきにくいので)は(2/π)^{(1/4)(1-cos(πx)}×2^(x/2)×γ{(x/2)+1}。γ(x+1)=x!で、(2/π)^{(1/4)(1-cos(πx)}×2^(x/2)×x!とおけるはず。これを先ほどと同じようにX=361を代入して常用対数を取ると、約385。つまりは361!!は10の385乗となります。かなり近くなったので、これで満足しておこうと思います。実際は1000000000000000000000000倍の差があるので全然違うんですけどね。
そもそも「白と黒で交互に打つから361!!」という前提自体が間違っている気がしないでもないですし。結局「局面の総数」とはどういう計算の元に導かれたのか……自分にはよく分かりませんでした。この辺が自分の限界です。

誰か自分に教えてください。